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最終更新: 2019年1月31日



フランスに2年間滞在していたアーティスト志村信裕がフランス各地で集めてきた日用品としてのピュアウールセーターと新作映像(ディレクターズカット版)の展示販売が始まります。


羊毛をめぐるフィールドリサーチで手に入れたセーターは今の時期にぴったりな一点ものばかり。数に限りがありますのでお早目にご覧ください。


また、ARTIST BUYERに合わせて志村君のテキストが掲載された林央子さんが手掛ける個人雑誌『here and there vol13』も入荷しました。林央子さんのご協力によりhere and thereのバックナンバーを揃えたライブラリーもありますのでコーヒー飲みながらゆっくりご覧下さい。

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志村君が参加している展覧会「DOMANI明日展」も国立新美術館で開催です。合わせてご覧ください。


ARTIST BUYER #005 志村信裕 2019年1月23日(水)〜2月2日(土)



羊毛は日用品


 西洋の冬は長い。日本のような四季がなく、夏が終われば、それはもう冬のはじまりだ。そんな長くて険しい冬季をいかに凌ぎ、快適に過ごせるか。何世紀にもわたる彼らの知恵と実践が、今の僕たちが当たり前のように着ている冬服として世界中に流通している。

 フランス2年目の冬、パリの古着屋でピュアウールのセーターを見つけた。タグが無かったので、きっと誰かのためにつくった一点物が古着屋に流れ着いたのだろう。びっくりするくらい暖かかったので、最後の冬はほぼ毎日それを着て出かけていた。まだまだ着るつもりだ。

 そこから色んな偶然が重なり、羊にまつわる作品づくりがはじまった。羊毛製品を探すことがリサーチとなり、気が付いたらパリのギャラリーよりも、古着屋を回る時間の方が長くなっていた。新品を扱う洋服屋では、アクリルや化学繊維の台頭でピュアウールのセーターは目に見えて減ってしまった。もちろんファストファッションのお店なんて皆無だ。その背後では、使われなくなった羊毛が大量に存在する現実がある。文明は文化を破壊するという、いい例だ。

 探し出せば、まだまだいいセーターはこの世界にたくさんある(はずだ)。星の数ほどの身体を暖め、誰かの生活の一部になっていた良質なセーターを探しだすことは、僕にとっては考古学的なフィールドワークであり、純粋な悦びでもある。日用品の定義が手放せないものだとするならば、これ以上の文化的な日用品はないのではないか。冬のあいだ、この紡がれた(そして引き継がれた)羊毛があなたの生活に欠かせないものになってくれますように。


ARTIST BUYER #005. Jan. 2019

志村信裕


志村信裕 / Shimura Nobuhiro


1982年東京都生まれ。武蔵野美術大学大学院映像コース修了。「光をあてる」をテーマに映像プロジェクションによるインスタレーション作品を国内外で多数発表。近年はドキュメンタリーの手法を取り入れながら、映像表現を主体にした独自のフィールドワークを各地で行う。文化庁新進芸術家海外研修制度により、INALCO (Institut National des Langues et Civilisations Orientales) 客員研究員としてフランス・パリに2016年から2年間滞在。近年の主な個展に「Land」(2019年、Yuka Tsuruno Gallery、東京)、「物の気」(2018年、ウォーナンブール美術館、オーストラリア)。グループ展に「21st DOMANI・明日展」(2019年、国立新美術館、東京)、「The world precedes the eye」(2016年、ICAシンガポール)、「六本木クロッシング2016 僕の身体、あなたの声」(2016年、森美術館、東京)、「未見の星座〈コンステレーション〉-つながり/発見のプラクティス」(2015年、東京都現代美術館)など。寄稿に「here and there」、「mahora」、「Journal du Thé」など。

http://nshimu.com



セーターの詳細はこちらからご覧頂けます。 https://www.sssuburb.com/onlineshop